日本医労連2026春闘③

なぜ産業別統一闘争が重要なのか?

 日本医労連は、企業別労働組合の「連合体」という形態の「産業別労働組合」(産別)です。企業の違いをこえて同一産業(医療業界や介護業界など)で働く労働者で組織された労働組合です。同じ業種の全国の労働者が、自分たちの要求に基づいて運動を横断的に展開することで、業界全体の底上げを図ることができます。産業や職種の特殊性に応じた運動を展開することで、産業別労働組合は国や行政に対しても大きな影響力をもつことができます。

産業別労働組合(医労連)の存在意義
●企業別労働組合(各単組・支部)の限界を超えるたたかいが可能になる。
●産業(医療・介護・福祉)の性格に適したたたかいができる。
●全国のたたかい(7全国組合47都道府県医労連)の経験・教訓を共有していかすことができる。
●その産業(医療・介護・福祉)で働く労働者のミニマム・基準づくりができる。

 医療・介護・福祉労働者の賃金・労働条件は、国や政府が定める法律や制度(各種法律、診療報酬、介護報酬など)に大きく左右されます。また、人をケアする仕事は他産業のような機械化なども難しく、必然的に人件費率が高くなります(労働集約型産業)。

 こうした特徴のある医療・介護・福祉労働者が、国民のいのちと健康を守る社会的役割にふさわしい賃金・労働条件を実現するためには、企業内の労使関係だけでは乗り越えられない診療報酬や介護報酬の引き上げ、人員配置の改善(大幅増員)、夜勤負担軽減(規制)などの制度改善を国に要求する産別統一闘争が必要不可欠です。

【社会保障抑制政策の転換を!】

 医療・介護・福祉労働者の仕事は社会に不可欠であるにもかかわらず、賃金水準は全産業平均を下回っています。その最大の要因は、長年にわたる国の社会保障費抑制政策です。これを転換していくためにも、産業別労働組合である医労連の存在と活動が欠かせません。医療・介護・福祉労働組合が団結して同じ要求をかかげ、統一した行動をすることで、経営者にも全国的な賃金相場を意識させ、適正な集団的労使関係を構築できるようになります。

【国民の共感と支持を得ながら】

 私たちの働き方や賃金を改善していくためには、日本で唯一の医療産別である医労連に結集することが不可欠です。すべての単組・支部の医労連への結集が運動の要です。歴史を振り返れば、先輩たちの成果と教訓の多くが産別結集の賜物であり、それは今に続いています。私たちの要求は、国民のいのちと健康、生活に直結しており、国民の支持と共感を味方にして運動を展開できる力を持っています。医療・介護・福祉労働者の賃金・労働条件を改善し、国や自治体の制度・政策に影響力を持つ産別になっていくことが、医労連の社会的役割であり、要求実現への道となります。

【世論を広げ、賃上げを実現しよう!】

 日本医師会や看護協会、6病院団体、介護事業者団体などから、物価高騰対策と他産業並みの賃上げに向けた財政措置を求める声が相次ぎ、政府与党内でも賃上げに関する発言が続いています。こうした動きは、ケア労働者の賃上げの必要性を世論に示してきた私たちの取組みの成果です。

 しかし、令和7年度補正予算に盛り込まれた医療・介護分野の賃上げ措置はあまりにも少額で、これでは他産業との賃金格差は解消されません。一方、政府は医療費4兆円削減という目標を掲げ、OTC類似薬の保険外しや病床削減、高齢者の医療費窓口負担の引き上げなどを打ち出しています。秋の財政審の建議では、医療・介護を「生産性向上に伸び悩み、労働人口を増やしてきた産業」と位置付け、一層の適正化(削減)を求めています。

 医療・介護・社会保障費が抑制される中、ケア労働者の賃上げだけが進むことはありえません。また、防衛費の大幅増も認めるわけにはいきません。今の政治を変えるには、産別としての力をさらに強め、患者・利用者、国民との共同を広げていくことが不可欠です。私たちの運動がこれまでも世論を動かしてきたことに確信をもち、26春闘ではケア労働者の賃上げと社会保障費抑制政策の転換を力強く求めていきましょう。





2026年01月30日